エネルギー

日本の電力事業は、10社の地域電力会社(一般電気事業者)によって運営されていた。電力市場の自由化は 1990年代に着手されたが、実質的な変化は、既存のシステムの弱点を露呈させた2011年の東日本大震災以降に、経済産業省(経産省)によって導入された改革を通じてようやくもたらされた。

こうした弱点に対処する為に、手始めに2015年4月に電力広域的運営推進機関(OCCTO)が設立、その後同年9月には市場を監視・規制するために、経産省下に電力取引監視等委員会(EMSC)を設置した。次に、経産省資源エネルギー庁によって計画された電力市場改革の一環として、2016年4月に小売全面自由化が導入された。そして2020年に一般電気事業者からの送配電事業の法的分離がなされ、ベースロード電力市場の創設、容量市場の創設、市場と非化石価値取引市場のバランスをとり、健全な競争を可能にする公正で透明性あるプロセスにつながると期待される。

1970年代の石油危機以降、日本は原子力の利用を増大させ、ガス・石油・石炭の輸入依存度の低下に乗り出した事により、原子力は2010年における電源構成の26%を占めるに至った。しかしながら2012年5月以降は日本の原子力発電所すべてが停止され、安全審査と改良プログラムを立ち上げて現在も継続中である。2015年から2018年にかけて、9基の原子炉が再稼働した。しかし、これらの再開のペースは鈍化し(2019年に再稼働なし)、法的措置や新たに導入されたテロ対策工事の完了が遅れにより、一部の原子炉が停止中、いくつかは今後停止を余儀なくされる。

経済産業省は、2021年7月、「安全性」、「安定供給」、「経済効率性の向上」、「環境への適合」すなわち3E+Sというエネルギー政策の基本方針に則り、日本のエネルギー政策の基本的な方向性を示すものである第6次エネルギー基本計画を公表した。第6次計画は、2050年カーボンニュートラルを目標とした2030年の電源構成要素から成り立ち、その柱は以下の通りである

  • 再生可能エネルギー(2030年で36~38%):
    最大限の努力を払い、2050年に最大の電源となるための最大限の統合
  • 原子力(2030年に20~22%):
    :依存度を可能な限り低減、不断の安全性向上及び再稼働
  • 熱発生量(41%):
    Carbon Capture and Storage (CCS)とCarbon Recycleを併用した水素・アンモニアによる現在の熱発電のカーボンフリー電源への移行と、需要と供給のバランスをとるための弾力的な発電のためのカーボンリサイクル

石炭の段階的廃止スキームを持たず、原子力車両の取替の方向性を持たない計画案では、現行の計画草案は、2013年から46%の排出削減という目標を基準年として達成するという非現実的なものとなっている。

EBCは、エネルギー分野における日本と欧州の関係を、商業的交流を推進し、共通基準に関する合意を達成し、CO2の排出目標の達成を可能にし、費用便益分析(CBA)に基づく可能な限り低いコストでのエネルギーへのアクセスを推進し、公正で開かれた競争の推進を通じて更なるエネルギーコストの削減を達成するために、更に強化すべきであると考える。また、財政的なインセンティブとしての炭素税は、異なる省庁間の決済により排出削減目標を達成するために日本が考慮する必要があるものである。

EBCは、積極的に関与し、適切な支援の提供が出来ることを期待している。

主要な問題および提案

委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ([email protected]) にお問い合わせください。

2024
日付時間場所
2月7日(水)13:30~hybrid
5月8日(水)13:30~hybrid
9月11日(水)13:30~hybrid
12月11日(水)13:30~hybrid